プログラム
- DAY3-セッション6
- 時間:17:25~17:55(30分)
地政学的な緊張が高まる中、日本は経済的レジリエンスと技術的自立を重視した国家防衛戦略を進めています。経済安全保障推進法(ESPA)は、重要技術やインフラの保護、サプライチェーンの安定、情報流出防止を目指すものです。中でも、サイバーセキュリティや供給網の脆弱性への対応を通じ、重要インフラにおけるオペレーショナル・レジリエンスの強化が焦点です。さらに金融庁も、金融機関に対し事業継続計画(BCP)やリスク評価、レジリエンス戦略の策定・試験を求めており、2023年4月のディスカッションペーパーでは、クラウドや外部連携、未知のリスクへの備えを包括するフレームワークの必要性が示されました。本講演では、クラウド・アウトソーシング・API経由のサードパーティといった重要サービスに焦点をあて、グローバルな規制動向や実践例を踏まえながら、「誰がレジリエンス戦略を担うべきか」「どのような基準で枠組みを構築すべきか」といった問いに答え、現実的かつ効果的な対応策を共有します。
Speakers
Steve Yates FBCI, CBCP, FICPEM, MEPS
元ロンドンオリンピック運営局(ODA)
事業継続/危機管理責任者スティーブイェーツ 氏
オペレーショナル・レジリエンス分野の専門家として、多様な組織が直面する規制対応の課題に対し、実践的なソリューションを提供している。英BT社にてICTエンジニアとしてキャリアを開始し、事業継続・復旧部門の責任者としてロンドン同時爆破事件時の対応に貢献し、ロンドン市名誉市民に選ばれた。その後、2012年のロンドン五輪組織委員会にてリスク・事業継続・ICT災害復旧・緊急計画を担当。ビジネス継続協会(BCI)、災害復旧研究所(DRI)、市民防災機関などに所属し、金融業界向け規制対応のホワイトペーパー(2025年5月)作成にも関わった。現在はResilience Associationの会長を務め、レジリエンス・BCM・ICT/DR・サイバー対策・危機管理などの分野でコンサルタントおよびトレーナーとして活動中。