危機管理カンファレンス2020

従業員の心をつかむ、防災活動関東大震災の被災経験も活用するアプローチ

企業防災には訓練や演習が重要です。その際、参加者が災害をいかに自分ごととしてとらえられるかの仕掛けを試行錯誤しています。

昨年は関東大震災から１００年という大きな節目に当たり、社内公募型の災害時徒歩移動訓練を実施しました。同震災での自社被害の事実や当時の社長の社員に向けた復興への決意を込めた言葉等を事前レクにて共有。社内の激甚災害時帰宅抑制ルールや自宅防災の重要性等の座学からスタートしました。単に長く歩き苦痛を実感するだけでなく、災害を自分に置き換えて考えてもらう機会に、との思いからです。訓練ルートにおいても震災の遺構や自社の被災場所等を巡りました。多くの方が火災に巻き込まれ、橋で圧死した、川で亡くなったという光景を眼に浮かべてもらうため、また自社の犠牲者を悼むためでもあります。

100年は単なる区切りではなく、震災の歴史と教訓の襷を繋いでいく使命の確認の場となりました。